
2009年6月7日に開催された全国幹事会で、第2代幹事長に選出されました、筑波大学の長崎でございます。2期勤められた本郷一夫先生の後を受けて、3年間、今後の士会の運営にあたります。どうぞよろしくお願いいたします。
臨床発達心理士会誕生から7年目を迎え、士会は総勢約2300名の仲間(アソシエーション)となりました。人間でいえば、やんちゃ坊主が学校に入り、大きな集団の中で、自分の得意な面、苦手な面など「自己」に気づいていく頃でしょうか。私たちも、様々な資格がある中で、なぜ、他の資格ではなく、臨床発達心理士なのだろうか、再度考える時期にあるのかもしれません。
私たちの士会はこの7年間、質の高い全国研修会システムの構築、領域別研究プロジェクトの実施、全国大会の開催、「臨床発達心理実践研究」の刊行、倫理委員会の設置、災害ワーキングの活動などを通して着実に成長してきました。また各支部も地域に根ざした活動を展開してきました。例えば、東京支部の高校への支部としての組織的支援は行政からも高く評価されています。今後は、これらの活動基盤を活用しながら、私たちの独自性を明瞭にしてゆくことが必要かと考えています。
私たちの独自性の一点目を、定型発達と障害を連続体(スペクトラム)として捉えることの強みと考えたいと思います。この数年間を見ても、社会の急激な変化の中で、「気になる子ども」や、格差社会による貧困、学力格差、PISAによる「読解力低下問題」などに見られるように、発達支援のニーズを有する子ども・対象児者が増加しています。環境要因と生物学的要因の相互作用として発達を、「典型」から「障害」へとスペクトラムに捉えることによって、生涯発達の様々な問題の本質を理解し、支援の方策を見いだすことができると思われます。
私たちの独自性の二点目は、発達心理学との密接なコラボレーションによる臨床発達心理学の進化・深化です。今後も、社会は予想できない様々な問題に直面し、子どもたちの育ちにも影響を与えるでしょう。発達心理学の最新の科学的な成果を取り入れることで、自己の支援を反省し、新たな支援方法を開発してゆけるでしょう。また、この様な連携は発達心理学に対しても発達の見方の新たな枠組を提起し、刺激を与えてゆくことになるでしょう。
今までの士会の活動の継続と共に、以下のような目標を持って運営を行っていきたいと考えています。
会員の皆さんと共に歩み、考え、発達しつづける臨床発達心理士会でありたいと願っています。どうぞ皆様のご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
2009年6月15日 長崎勤