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幹事長あいさつ

皆様ご承知の通り,第189回国会において心理学ワールドの悲願でありました「公認心理師法案」が可決され,2015年9月16日付けで公布されました。ここに至るまでには様々な紆余曲折がありましたが,国家が保証する職能資格が心理学にも確立されたことで,臨床発達心理士会には3つの課題がつきつけられました。最初の課題は職能資格としての臨床発達心理士の質の担保,2つ目はいかにして公認心理師の一部を臨床発達心理学領域の専門家として迎え入れるか,つまり汎用資格の中における専門性担保としての臨床発達心理士をどう位置づけるかという課題,最後が職能団体としての臨床発達心理士会の制度設計をどうするかという課題です。いずれも難問でありますが,公認心理師が国の制度として発足した今,解決しておかなければならない問題でしょう。

ご承知のように公認心理師は名称独占資格として設計されましたが,心理学の職域を独占する業務独占資格ではありません。従って,臨床発達心理士と公認心理師は棲み分けが可能です。しかし公認心理師は心理学の全領域に関わる資格であるため,すぐにでも自分の専門領域を明らかにさせる必要性が生じるものと思います。国家試験に合格して医師免許を取得しても,人の心身に関わるすべての医療行為に対して万能であるわけではないのと同様,公認心理師も人の心と行為すべてに対して万能であることは望むらくもないからです。臨床心理士とか臨床発達心理士,学校心理士,特別支援教育士などの既存の民間資格が生き延びるチャンスが,ここにあります。臨床発達心理士がきちんとその専門性を担保することによって,発達領域を専門とする公認心理師を取り込むチャンスが生まれるのです。もちろん臨床発達心理士資格を持つ者が公認心理師資格をとる必要性も生じるでしょう。

臨床発達心理士は人の発達・成長・加齢に寄り添い,必要とされる援助を提供できる人材であることを目的としてきました。そのためのポイント制度研修であり,5年ごとの資格更新制度でした。この専門性は公認心理師が誕生する2018年以後,更に洗練される必要があります。

そこで臨床発達心理士会としましては、会員の公認心理師資格取得へのお手伝いをすると同時に,会員の技量を高めてより高い専門性を担保する努力をしていきたいと考えております。たとえばケースに応じてアセスメント内容を変え,総合的な見立てができることは支援計画立案・実施の必須条件となりますし,臨床的応用力を身につけるためのケース検討会も非常に重要になります。これらの活動はいずれも支部あるいは地域単位で行っていく必要があります。幸い,支部予算は幹事会承認事項になっておりますので,活動の活性化に必要な予算立てが可能です。皆様のより一層の士会活動への積極的関与をお願いしまして,幹事長再任のご挨拶,及び所信表明にかえさせて頂きます。


平成27年9月25日
日本臨床発達心理士会幹事長 荘厳 舜哉